TFT(思考場療法)

TFT(思考場療法)

千葉カウンセリングルーム

概要

「TFT(Thought Field Therapy)」は日本語で「思考場(しこうば)療法」と訳されます。

鍼のツボをシンプルにタッピング(指先で軽くトントン叩く)することで心理的問題の症状を改善させていくものです。

1979年に、米国のロジャー・キャラハン博士が深刻な水恐怖症の女性にツボをタッピングしてもらったところ、
その女性は恐怖を全く感じなくなったことから研究が始まります。
今では世界的に戦争被害や自然災害の援助など広く行われています。

概要は一般社団法人日本TFT協会(以下、協会)のホームページにまとまっていますので、よろしければご覧ください。タッピングの手順の動画も載っています。

TFTとは? | 日本TFT協会
TFTとは、Thought Field Therapy のことで、日本語にすると「思考場療法」といいます。簡単な上に、効果が高く、即効性があり(早くて数分)、副作用がなく、セルフケアに使えるというユニークな特長があります。

TFTの特徴と効果

TFTの特徴として、手順が簡単で短時間に行え、即効性(早くて数分)があります。

TFTは記憶・認知・信念に直接作用せずに、症状だけを取り除けるため副作用がなく、相談者自身がセルフケアに使えます。

協会のホームページにはTFTの効果として以下が書かれています。

・ 個人のレジリエンス・自己概念
・ 自律
・ トラウマ・ストレス関連の障害と症状
・ 抑うつとうつ症状
・ 一般的な機能と健康
・ 恐怖症、パニック、全般性不安障害とその症状
・ 特定不能およびその他のメンタルヘルスの障害と症状

実際には、人間関係のストレス、慢性的な疲労(抑うつ)、不安、緊張、体の痛み、など日常生活で起こる多くの悩みに対して行われています。

TFTは誰でも何処でも大抵の症状に実施できて相談者にとって使い勝手が良いことも、大きな強味と言えます。

TFTはエビデンスがない?

TFTは客観的にみると「苦しい状況をイメージして、ツボをトントンしているだけ」とも言えてしまいます。

ですのでその効果に対して、「まあ、ツボだから効くよね」という方と、
「あやしい。プラシーボ効果(偽薬効果)じゃないのか」という方に分かれると思います。

一時期、TFTはエビデンス(効果の根拠・裏付け)がないという意見もありました。
本来であれば、同じ症状の人たちを2グループに分けて、施療したグループとそうでないグループで比較して効果を検討します。

TFTはこの研究をせず、行ったら効いた、という事例だけが沢山ある状況だったのです。
TFTは理論ありきではなく、実践から理論を導き出していったという背景も影響しているかもしれません。

ですが、最近では研究も行われているようです。
https://www.jatft.org/introduction.html

今後、更に増えて、効果が検証されていくでしょう。

TFT独特の用語

思考場、アルゴリズム、パータベーション、チューニング、頂点問題、エネルギー心理学、といった意味が想像しにくかったり、
あまり一般的でない概念・用語を使っていることも効果を疑われる理由と思います。

・思考場:空間にあって物事に影響を与える目に見えない構造物

・アルゴリズム:有効率が高いタッピングの場所と順番の組み合わせ(コード)。
正しく行えば初心者でも高い成功率が再現可能。

・パータベーション:エネルギーの混乱を引き起こす心的動揺

・チューニング:不快なことに意識を向けること

・頂点問題:TFTで症状が消えても、その効果を認められないこと。
効く理由を説明できない方法で簡単に効くので、認められない人も珍しくない。
認めなくても効果はあるが、認めた方がその後のセルフケアに有効。

・エネルギー心理学:協会のホームページをご覧ください
https://www.jatft.org/introduction.html

・エネルギートキシン:エネルギーシステムに悪影響を与える物質(免疫システムに悪影響なアレルゲンとは別もの)で人により異なる。
アレルゲンはエネルギートキシンであることが多いが、エネルギートキシンがアレルゲンにはなりにくい。
牛乳・チョコレート・アルコールなど摂取するものだけでなく、香水・洗剤など触ったり、吸入するものでも影響する。

・心理的逆転:エネルギーの流れが逆転、またはどこかでブロックがかかってうまく流れない状態。
この状態だと、どんな治療もあまり効かない。改善してもすぐに再発する。

上記の用語を使ってTFTを説明すると、
TFTは初心者でも、アルゴリズム(有効率の高いタッピングする場所と順序の組み合わせ)に則ってタッピングすることにより、
チューニング(焦点を合わせている)している思考場に起こったバータベーション(心的動揺)を消去できる、という説明になります。

よって、最初に不快な状況を意識する(チューニング:焦点を合わせる)以外は、負担がほぼなく、副作用が限りなく少ないのです。

心理的逆転とエネルギートキシンは、アルゴリズムが効かない場合などに考慮されます。

最後に

TFTの効果の根拠・裏付けは、これから研究によって積み重なっていくでしょう。

ですが、作用機序(なぜ効果があるのか)を一般の方も納得できるように説明できる日がくるのか、それはいつになるのかは分かりません。

一方で、元も子もないことを言ってしまうと、どんな心理療法も多かれ少なかれ、一般の方が納得する説明ができない部分はあるでしょう。


千葉カウンセリングルームとしては、TFTはチューニングがうまくいくと、大変効果があると感じています。
何か過去の出来事1つで大変傷ついて生活に支障がでている時などはTFTが効果を発揮しやすいと考えています。
(子どもの場合は思春期くらいであれば実施可能ですので、不登校の要因によっては効果的です)

即効性があり、相談者が自分で実施できる非常に便利な技法です。
特に自分で実施できるという点は、自分で制御できる、自分の力で何とかなる、自分は大丈夫、と思えることに繋がります。
著名な方と面接をして、「〇〇先生のおかげで良くなった」と思っていては、
誰かに頼ったり、他者の評価を気にしたりといった延長線上で、いつまでも相談者であることを卒業できません。

TFTもやはり実施して効いた感覚を体験してみるのが良いと思います。
体験しても効果を認められないくらいです(頂点問題:カウンセラー自身も認められませんでした…)。
体験してみないと、疑うばかりになってしまうでしょう。

参考文献

ご興味のある方は、まずは協会のホームページを見るのが簡単で早いです。
また協会では一般の方向けのセミナーや体験会も行っています。
TFTの場合は特にですが、参加できるならば体験してしまった方が早いでしょう。
https://www.jatft.org/introduction.html

本が良い方は以下の本が読みやすく、自分でTFTを実施するのにも良いと思います。

Roberta Temes(2006).The Tapping Cure A Revolutionary System for Rapid Relief from Phobias,Anxiety,Post-Traumatic Stress Disorder and More.Da Capo Press.
(ロベルタ・テムズ 浅田仁子(訳)(2009).タッピング入門 シンプルになった〈TFT&EFT〉 春秋社)

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